- 転職したいけど、なかなか行動できない…
- 仕事を辞めたら、皆に迷惑をかけてしまう
- 転職=悪いみたいなイメージがついてしまうのが嫌だ
こんな悩みから、転職したくてもできないという人は多いのではないでしょうか。
ですが、それはただの言い訳です。
そんな悩みを抱えていながら、転職している人が大勢いるからです。
確かに日本は、転職をすること自体にあまり良いイメージを持ちません。
どの職種も人手不足が叫ばれている時代ですから、一人が抜ければ他の人が忙しくなるのは当然です。
でもだからといって、自分が本当にやりたいことを我慢する必要はまったくありません。
ちゃんとしたビジョンや理由があるのなら、転職はいつしても良いのです。
ではそもそも、なぜ転職は悪いことだと思われてしまうのでしょうか?
今回は、転職にマイナスイメージを抱く理由について解説していきます。
これを読めば「転職は悪いことじゃない」と自信を持つことができ、転職活動の第一歩が踏み出せるようになりますよ。
- 転職は悪いことではない
- 転職経験者は転職して良かったと思っているのか
- 転職活動に踏み出せない理由
転職は悪いことなの?

転職は、決して悪いことではありません。
ただ単に何も考えず会社を辞めるというわけではなく、自分の市場価値を知り、それを高めていって転職するのであれば良いのです。
転職時の市場価値とは、以下4つの要素で構成されています。
- 資格、スキル(TOEIC、プログラミングの資格など)
- ポータブルスキル(リーダーシップ・コミュニケーションスキルなど)
- 経験、実績(売上目標を達成した、リーダーを担当しプロジェクトをやり遂げたなと)
- キャリアプラン(自分が達成したい目標に向かって努力をしているか)
市場価値が高いということは、この4つの要素のいずれかを持っているか、またはすべてをバランスよく満たしているということです。
自分の考えやスキルを見直し、市場価値を高めていった上で転職するのですから、誰にも文句を言われる筋合いはないのです。
転職は悪いというイメージがついた原因

転職=悪いことというイメージがついた原因として考えられるのは、まだ日本に根深くある「終身雇用制度」と「年功序列制度」の2つです。
1つずつご紹介していきます。
・終身雇用制度
終身雇用制度とは、以下のような意味です。
終身雇用(しゅうしんこよう)は、同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行である。長期雇用慣行(ちょうきこようかんこう)ともいう。
引用:weblio辞書
昔の日本は、一度就職したら定年まで勤めあげることが普通でした。
一つの会社で長く働けば働くほど、役職がついて給与も上がり、退職時には退職金がたくさんもらえるというのが当たり前だったからです。
そのため、会社を辞めること自体が理解されず、「そこにいる方が安泰なのに辞めるなんておかしい」と思われてしまうのです。
定年まで同じ会社で働き続け、仕事のために時間を使い、定年後は自分のために時間を使うというのがその当時の一般的な考え方ですから、転職は少数派だったのです。
・年功序列制度
年功序列制度とは、以下のような意味です。
企業内の人材マネジメントの序列を、年齢、勤続年数、学歴など属人要素によって行う仕組み。年功とは企業内での経験が長くなることによって、仕事の習熟度、熟達度が向上し、経験値による効果的な業務遂行が可能になり、成果創出に寄与するといった考え方をベースとしている。かつては日本型人事制度(処遇決定の仕組み)の基礎として広く用いられた概念である。
引用:weblio辞書
要は、勤め上げた年数や経験によって給与が上がっていくということです。
この制度があることにより、「経験はなくとも能力があるのに評価されない」と考え、転職を考える人も多くいます。
しかし、年功序列が当たり前な人からすると「ずっとこの会社に居れば評価もされるし、給与も上がるのに何で辞めるの?」となり、辞める理由が理解できないのです。
日本とアメリカの転職に対する価値観の違い

転職することにマイナスな日本ですが、例えばアメリカなど海外ではどうなのでしょうか?
結論から言いますと、海外で転職は当たり前です。
では、日本とはどう考え方が違うのでしょうか?
・日本の転職に対する価値観
最近は変わりつつあるものの、まだまだ日本では終身雇用や年功序列が一般的です。
定年まで一つの会社に勤めあげること、経験がなければ(年数が少なければ)評価しないといったことが普通であるとされています。
この普通から外れている人は、「忍耐力がないからすぐ辞めるんだ」「根性がない」といったレッテルを貼られてしまい、転職活動での面接でも悪いイメージを持たれてしまいます。
・アメリカの転職に対する価値観
アメリカでは、転職に対してとてもポジティブな印象を持っています。
それは数字にも表れており、アメリカでは1つの会社にいる年数は4.2年と言われています。
これを日本人で考えると、高校卒業後(18歳)から働き出し、60歳まで働くとしても、18~60歳までの38年間を4.2年ペースで転職するとなると、合計で10回転職することになります。
これはなぜかというと、アメリカは経験よりも能力重視であることが多いからです。
仕事ができる人はすぐに他の会社から引き抜きの話が出ますし、他にもっと給与・待遇の良い会社があり、そこがもっと自分の能力を活かせそうだと思ったらすぐに転職をします。
そういう考え方が当たり前なので、転職することに対してとても前向きなのです。
日本の転職者数の推移

昨年、総務省が出したデータによると、2019年の転職者数は351万人と過去最多になりました。

出典:総務省統計局
統計は2002年からで、2006年・2007年の346万人がピーク。
その後、2008年のリーマン・ショックから2010年にかけて減っていき、2011年以降はまた増え、2019年には351万人となりました。
ちなみに、転職した理由はいつの時代も「より良い条件の仕事を探すため」でした。

出典:総務省統計局
※「会社都合」には「会社倒産・事業所閉鎖」、「人員整理・勧奨退職」及び「事業不振や先行き不安」が含まれる。
転職経験者は転職してよかったと思えるのか?

1月8日、アドバンスフローが行なった転職に関する意識調査によると、転職経験者が「転職して良かった」と回答した転職経験者は87.2%にのぼりました。
転職に至った理由トップ3は以下の通りです。
- 「人間関係」(16.9%)
- 「他の仕事がしたい」(13.8%)
- 「給与の不満」(11.5%)
つづいて、転職してよかった点トップ3は以下の通りです。
- 「給与がUPした」(21.1%)
- 「人間関係が良くなった」(14.3%)
- 「やりたい仕事ができた」(14.3%)

出典:マイナビニュース
転職したいけど行動に移せない3つの理由

転職者数も増えており、転職して良かったという人も多くいる一方で、転職したくてもできない人も多くいます。
ここではその理由を、3つご紹介していきましょう。
職場の人に罪悪感を感じてしまう
「自分が辞めることで、上司や先輩に迷惑をかけてしまう」
「自分を育ててくれた人たちを裏切るみたい」
責任感が強く真面目で優しい人ほど、このように罪悪感を感じてしまい、転職したくても動き出せないということが多いです。
でも、自分の人生は、自分のもの。
自分の将来を考えた上で転職した方が良いと思ったのなら、それは裏切りなんかではないんです。
優しすぎるがゆえに転職したい気持ちを押し殺して、それが結果的にストレスになってしまっては何の意味もありません。
今の仕事をしっかり引継ぎをしてから退職し、新しい道へと踏み出しましょう。
自分は会社に必要とされているという勘違い
転職したくても動けない人の中には「自分は会社に必要な人間だから辞められない」と思っている人がいます。
しかし、それはただの勘違いである可能性もあります。
確かに営業成績が良いとか、処理能力が早いとか、何かしら実績を積んだり結果を残していれば、あなたは会社にとって必要な存在でしょう。
元々人が少ない会社の中で実績を積んだり結果を残していれば、あなたは大事な人手であり立派な戦力です。
でも、そんなあなたがもし辞めるとしても、会社は何とかします。
そうじゃないと、業務が回らないからです。
新しく来た人に教えたり、もしくは今在籍している人たちにしっかり引継ぎをすれば、意外に辞められます。
辞めてすぐは会社も大変かもしれませんが、あなたが辞めても会社は回ります。
結局は今の会社に残った方がラクだと思っている
人間の行動を阻む思考として「未来への不安」というものがあります。
- 今の会社を辞めたとしても、何もない自分ができることはない
- 自分がしたい仕事を見つけられる自信がない
- 転職しても上手くいくとは限らない
このように、先のことに対して不安の方が大きいと、「今の会社に残った方が楽だ」と考え、身動きが取れない状態になってしまいます。
不安を解消するためには、まずは自分はどんなことができるのか?今までどんなことをしてきたのか?どんなことが得意・不得意なのか?といったように、自分のスキルやキャリアの棚卸しをしましょう。
まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、転職にマイナスイメージを抱く理由を解説しました。
「同じ会社で働き続けることが当たり前」「転職しない方が偉い」といった思い込みが、転職に踏み出せない状況を作ってしまいます。
また、必要以上に辞めることに罪悪感を抱いたり、会社になくてはならない存在だから辞められないと考えるのも良くありません。
当たり前は人によって違います。
誰かのために自分の気持ちを押し殺すことはありません。
自分の人生を豊かにするためにも、周りを気にせず第一歩を踏み出してみませんか?
